ハクサン染工株式会社
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当社で編みあげる自動車内装材はポリエステル糸を使っていますが、同じ染料、同じ配合でも、編み方によって発色に違いが出てきます。求められる色を出すには、編みあがったニット生地それぞれの特性に適した染料の配合や染色方法があり、試験しながら、それを探っていく仕事を担当しています。
色見本があって、色合わせをしていくのですが、この再現が難しいのです。でも、色はとても大事です。わずかな明度の違いでも、車内の大部分を占める内装材では全体のイメージを変えてしまうことにもつながります。間違いなく求められる色を再現するのは、繊細さ、緻密さが求められ、神経を使いますね。また、僕が選んだ染料と染め方がその後の染めの工程を確定します。量産のベースに合うのかどうか、効率と品質の両立といったことも考慮しなければなりません。ちょっとしたことが品質に影響するので責任は重いですが、やりがいも感じています。とても地味でこつこつとやっていく仕事ですが、自分の性に合っていると思います。
上司や先輩の仕事を見ていて、プロだなと感じます。仕事の姿勢で見習うべきことは多いですね。例えば、直属の部長は染色の生き字引みたいな人。色出しで悩んだときに相談すると、的確なアドバイスを出してくれます。それに基づいて実践を繰り返し、自分の中にたくさんのノウハウを蓄積していきたいと思っています。
シート素材などの自動車内装材は、知らず知らずに車内のアメニティや車への愛着心にも結びついていると思います。将来は染色だけじゃなく、プリント加工の技術開発にも関われたらと思っています。プリント技術はどんどん進歩していて、柄を描くだけじゃなく、使う染料によって模様に厚みを付けて独自の風合いを出すこともできます。プリントで高級感や重厚感をつくりだすこともできる。ほかにもいろいろな工夫ができるはずです。
自分が担当したファブリックが使われている車種はわかっているので、休みの日とかに街で自分がかかわった車が走っているのを見ると、なんだかうれしいですね。車好きなので、こういうかたちで車に関われることも仕事のやりがいにつながっています。